言葉は人を殺すことがあるけれど、音楽は人を殺さない。
以前、自分が記したことだけれど、音楽への憧れと共に、自分への戒めとして、言葉を綴る時には何かを殺すことをしていないか、この言葉を思いながら気をつけるようにしている。それでも、結果として、そうなってしまうことはある。それは、誰かの生き生きとした気持ちである時もあるし、大切な過去であることもある。それでも言葉を放つことを止められないのは、人としての罪であり、生きている事実そのものであろうと思う。 人が大切にしていることについて、認めたり関わらなかったりすることは難しいことではない。その多くはその人の中で育まれ、大切にしてくれる環境の中で大切さを増長していく。でも、それに対して違和感を感じた時、それをそのままにして嘘をついて認めることができない場合が、ある。 それは、何でも言い合えるのが友達としての証とかいう、なまやさしいものではなく、もっと生きることの芯に近づいたものであると感じている。これを言ったら友達でいられなくなるかもしれない、という強迫観念と、友達の尊さが、ぎりぎりと言葉を締め付ける。でも、それを放たなければ、その人を大切に思うことそのものを失ってしまうと直感する瞬間、言葉を放つ。その人と疎遠になった後でも、その人には生きる未来があることを漠然と感じながら。 結果は分からない。随分と時間が経った今でも、その是非が分からないこともある。それでも、生きることそのものに背を向けている訳ではないと思える。 だから、言葉を、伝える。伝え続ける。
by hikiten
| 2012-07-14 11:46
| 日々
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